遠く澄んだ空に、朝夕の心地よい風。
秋の訪れを感じる季節となりました。
真夏には、よく晴れた日が続くと夜中でも厳しい暑さでしたが、
このところは日中に気温が上がっても、夕暮れとともに気温も下がりはじめ
ずいぶん過ごしやすくなりましたね。
枕草子でも「秋は夕暮れ―」と綴られていますが、
私も清少納言と同じく、この季節の夕暮れ時が一番好きです。
夕暮れ時は「黄昏時(たそがれどき)」と呼ばれることもあり、
「黄昏」という言葉は、街灯の無い時代に、薄暗くなってくると顔の見分けがつきにくく
「誰そ彼?(たれそかれ)」と問いかける、という事が語源とされているそうです。
――誰そ彼? ふと、街灯のない時代に想いを馳せられ、趣深さを感じます。
また、同じく顔の見分けがつきにくい時間である、明け方の薄暗い時間は、
「彼は誰時(かはたれどき)」と呼び、朝夕で使い分ける事が多いようです。
ただ、どちらも「あれは誰だ?」という意味の問いかけが語源なので、
夕暮れを「彼は誰時」と呼んだり、明け方を「黄昏時」と呼ぶこともあるようです。
英語では、この朝と夕方の薄暗い時間帯である薄明(はくめい)時の事を
「トワイライト(Twilight)」と呼びます。
“Twi”にはツイン(Twin)の「2つ/半分の」、「ライト”Light”」には「光」の意味があり、
「太陽と月」この2つの光が混じり合う時間、昼と夜が入れ替わる
ちょうど半分の明るさの時間、という事が語源だと言われています。
こちらも、なんだかロマンチックで素敵な言葉ですね。
今月はいつもより少し長く、また、文学的な話になってしまいました。
ひょっとすると、秋が運ぶ文学の風にあてられたのかもしれません。
過ごしやすい季節ではありますが、昼夜の気温差が大きい季節でもあるので
皆様、体調にお気をつけてお過ごしください。
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