春を告げる花といえば「梅」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
梅は8世紀に中国との交易で輸入され古来より多くの歌人にも愛されてきました。
まだ寒さの残る中凛と咲き誇る赤・白・桃色の鮮やかな色が私たちの目を楽しませてくれます。
そんな梅が「春告草」とも呼ばれるのは、和歌で詠まれる「雅名」に由来します。
春告花でも春告木でもなく春告草と詠まれるのは、樹木なのか草なのか、植物の形態による区別が確立していなかった当時、樹木も「くさ」と呼んでいたためと言われており、春告草と同じように、松のことを久木草と詠んだり、桜のことを夢見草と詠んだりしています。
ついこの前、膨らみ始めたと思っていた蕾がもう咲き誇り、ひょっこりと土から顔をのぞかせていた新芽が、いつの間にかぐんぐんと背を伸ばす。3月は年度末ということもあり、そんな移ろう季節さながら、何かと目まぐるしい変化の多い月です。慌ただしいときこそ、立ち止まって自分のペースが保てているか振り返り、無理のしすぎで心身の疲れが溜まらないようにすることも大切です。
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